山梨県上野原市 K様宅 検査事例
今回は甲斐の国、山梨県上野原市のK様より井戸水検査.COMにご依頼を頂きました。
検査対象はご自宅のすぐそばにあるご実家に給水している井戸です。
現在は飲用には使っていないとのことでしたが、いざという時の為に水質を把握されたいということでの水質検査実施です。
まずは採水前にしっかり時間を掛けて水を流します。これは配管内などに溜まっていた水ではなく、その井戸本来の水質を検査する為に行います。
溜まり水は水質が悪くなっている場合がありますので、皆さんも井戸水を使用する際は配管の水をしっかり出し切ってからのご使用をお勧めします。
水を流している間に気温・水温も計ります。 この日は午前10時過ぎにもかかわらず30度超えの暑い日でしたが、水温は18度でした。
10分以上しっかりと通水したのちに専用の採水容器に採水していきます。
採水容器は細菌検査用の滅菌済ポリ瓶やジクロロメタンやテトラクロロエチレンなどのVOC(揮発性有機化合物)用の遮光ガラス瓶など専用の採水容器に採水していきます。今回はスタンダードプラン(26項目)でのご依頼でしたので計2リットル弱の検体を採水いたしました。
検体は採水後、クーラーボックスできっちり氷冷して自社の分析室まで持ち帰ります。
自社採水だからこそ、採水した当日に細菌検査などに迅速に着手でき、正確な検査を行えます。
帰りがけに撮影した上野原市の風景です。この日はとても天気が良く、気持ちの良い日でした。
採水をしてから7営業日後に報告書が出来上がりました。(営業日=平日です。)
水質検査.COMでは検査項目ごとの専任の担当者が責任をもって検査・測定をしております。
そして水質検査部門管理者が各データをとりまとめ、その検査値の妥当性や整合性などを確認したのちに報告書を作成いたします。
採水場所: 山梨県上野原市 K様宅
採水日 : 平成28年8月3日
採取時間: 10:15
項目 | 単位 | 検査値 | 定量下限値 | 基準値 | 検査方法 |
一般細菌 | 個/ml | 2 | 0 | 100 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第1 |
大腸菌 | (100ml中) | 不検出(陰性) | — | 検出されないこと | 平15.厚生労働省告示第261号別表第2 |
鉛及びその化合物 | mg/l | 0.001未満 | 0.001 | 0.01 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第6 |
ヒ素及びその化合物 | mg/l | 0.001未満 | 0.001 | 0.01 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第6 |
亜硝酸態窒素 | mg/l | 0.004未満 | 0.004 | 0.04 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第13 |
硝酸態窒素及び 亜硝酸態窒素 |
mg/l | 15.7 | 0.02 | 10 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第13 |
四塩化炭素 | mg/l | 0.0002未満 | 0.0002 | 0.002 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第14 |
シス-1,2-ジクロロエチレン及び トランス-1,2-ジクロロエチレン |
mg/l | 0.0002未満 | 0.0002 | 0.04 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第14 |
ジクロロメタン | mg/l | 0.0002未満 | 0.0002 | 0.02 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第14 |
テトラクロロエチレン | mg/l | 0.0002未満 | 0.0002 | 0.01 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第14 |
トリクロロエチレン | mg/l | 0.0002未満 | 0.0002 | 0.01 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第14 |
ベンゼン | mg/l | 0.0002未満 | 0.0002 | 0.01 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第14 |
亜鉛及びその化合物 | mg/l | 0.01未満 | 0.01 | 1.0 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第6 |
鉄及びその化合物 | mg/l | 0.03未満 | 0.03 | 0.3 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第6 |
銅及びその化合物 | mg/l | 0.01 | 0.01 | 1.0 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第6 |
マンガン及びその化合物 | mg/l | 0.005未満 | 0.005 | 0.05 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第6 |
塩化物イオン | mg/l | 22.4 | 0.2 | 200 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第13 |
カルシウム,マグネシウム等(硬度) | mg/l | 110 | 10 | 300 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第22 |
蒸発残留物 | mg/l | 265 | 20 | 500 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第23 |
有機物(全有機炭素(TOC)の量) | mg/l | 0.2未満 | 0.2 | 3 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第30 |
pH値 | — | 6.6(22.0℃) | — | 5.8~8.6 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第31 |
味 | — | 異常なし | — | 異常でないこと | 平15.厚生労働省告示第261号別表第33 |
臭気 | — | 異常なし | — | 異常でないこと | 平15.厚生労働省告示第261号別表第34 |
色度 | 度 | 0.5未満 | 0.5 | 5 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第36 |
濁度 | 度 | 0.1未満 | 0.1 | 2 | 平15.厚生労働省告示第261号別表第41 |
アンモニア性窒素 | mg/l | 0.03 | 0.02 | — | 上水試験方法Ⅲ-2 8.2 (2011年) |
【 判定 】硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素が、水道法水質基準に不適合です。
ただし、アンモニア性窒素については水道法水質基準の対象範囲外です。
【 備考 】気温:30.5度、水温:18.0度
今回の水質検査の結果は、「硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素」という検査項目が基準値10mg/ℓに対して検査値15.7㎎/ℓと基準超過をしており、飲料水としては不適合な水質であるとの判定となりました。
「亜硝酸態窒素」は不検出(0.004mg/ℓ未満)でしたが、「硝酸態窒素」は体内で「亜硝酸性窒素」へと還元され、血中のヘモグロビンと反応して、メトヘモグロビン血症(血液が酸素を運べなくなり、臓器が酸素欠乏状態に陥る。)の原因となる物質です。
今回の検査結果の様に飲めないという判定が出る場合もありますので、信頼のおける水質検査機関に依頼をして水質検査を実施し安全を確認するのはとても大切なことだと思います。
K様、この度は検査のご依頼を頂きまして誠にありがとうございました。